風邪の本2冊
5月半ばにひいた風邪が思いのほか長引いてしまい、
仕事にも行けず布団に入っていたときに、風邪の本を2冊読みました。
ひとつは、アメリカのサイエンス・ライター、ジェニファー・アッカーマンが
書いた「風邪の科学」
イギリスには、「Common Cold Centre」という、風邪研究所が
あって、開発した薬がどのくらい効果があるかとか、風邪がどのように
人にうつるのか、実際に人の鼻に風邪ウイルスを噴射して風邪をひいて
もらい、研究しているのだそうです。まずその研究所の存在にびっくり
しました
義弟が貸してくれた本ですが、とてもおもしろかったです。
以下ネタバレです:
ビタミンCも、亜鉛も、エキナケアも、科学的には風邪に対する有効性が
立証されていないそうです。私は効くような気がしてましたけど(^^;)
意外と「チキン・スープ」が効くらしい・・・。
衝撃的だったのは、ウイルスや細菌が、主に手を媒介にして
ものすごく広範囲に拡がるということ・・・・ 調べてみたら、人はあまり
おしりに手をやらないので、実は家中で一番細菌が少ない場所が、
トイレの便器だったとか。
読んだあと、しばらく手でなにかを触るたび、ウイルスがくっつくような
いや〜〜な気がしていました。
それに、風邪のウイルスに感染して、抗体まで作っているのに、
風邪の症状が出ない、というすばらしい人もけっこういるそうです。
ぜひ!それに!なりたい!!!
風邪をひいたら、仕事は休みましょう〜・・・とも書いてありました。
風邪をひいた社員が働くことによって、企業が被る損害はかなりの
額にのぼるそうです。本人も、会社も、いいことないわけですね。
もう1冊は、野口整体の創始者、野口晴哉の名著「風邪の効用」
風邪は、治さなくてもよい、なんて消極的なものではなく、うまく経過
させることによって、他の病気、たとえばリューマチや癌などを
治せるのだ、というすごい話です。
そしてこの本によると、風邪をひくかひかないかは、本人の身体の状態
によるのだそうで、ウイルスの量や気温による要因は、ほぼないとのこと。
私は野口整体はやったことがないので、詳しい話はわかりませんでしたが
人間の身体にもともと備わっているすごい機能を、じゃましないように、
できればそれをサポートするように、という考え方に感銘を受けました。
私は歌手のくせに風邪にめっぽう弱いのですが、少しずつでも、
改善できるといいなぁといつも思っています。
西洋医学、東洋医学、どちらの切り口をもってしても、風邪は薬で治す
ものではない、とのこと。
アッカーマンによれば、それは薬の効果よりも副作用の心配のほうが
大きいからで、野口晴哉によれば、風邪そのものが病気を治す道具
なのだから、有効利用しないのはもったいないから。
今の症状が風邪ウイルスによるものかどうかの見極めが、しろうとには
難しいですが、風邪であればいずれ治る、と心穏やかに過ごしたいものです。
とはいえ、本番前にはひきたくないですよね・・・・