名倉亜矢子のブログ

・・・歌って教える毎日のこと
<< March 2012 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
2012.03.21 Wednesday

幕張総合高校定期

昨日は、幕張総合高校の定期でした。
私は、ブストの「死者のためのミサMissa pro defunctis」の
ソプラノソロを歌わせていただきました。
ブストが阪神大震災のときに書いたものだそうです。

幕張総合高校は、合唱もオケも全国レベルの、たいへん
優秀な高校です。うわさに違わず、すばらしい合唱でした。

指揮は粟飯原栄子先生。私は初めてご一緒しましたが、
リハーサルのときから、あふれ出して尽きることのないような
圧倒的なパワーにびっくりしました。

そんな先生のパワーに、さすがの生徒たちも最初は戸惑っている
ような印象でしたが、本番の朝のGPでは、先生の棒を必死で
受け止めようと、ひたむきに歌う姿がありました。

まるで、目の前に聳え立つ粟飯原先生という大きな山、
その先生が指差すブストの音楽という更なる山に、
恐れもおごりもなく、ただひたむきに挑んでいこうと
する若者を見るようでした。
きっと、顧問の先生方といっしょに、必死で練習なさった
のでしょうね。。。。

私はえらく感動してしまい、GPで涙が出てきてしまいました。
泣いてはいけない、と思ったのですが、今この感動を
押さえつけたら本番で出てきてしまうかもしれない、えぇぃ
今は思いっきり感動させてもらおう、と、ソプラノソロの出番が
しばらくないのをいいことに、しばし一観客となって聞き入って
おりました。

合唱もクラリネットも本当に美しくて、「永遠の安らぎを与え
たまえ」という祈りが、悲痛な叫びというよりは、神は聞き届けて
くださったのだ、というブストの信仰として聞こえるような気がしました。
そして、からっぽの2千人のホールを見ながら、何千人単位
の犠牲者を出した地域がたくさんあった東日本大震災を思い、
ますます涙が止まらなかったのでした。

みなさん本番もすばらしかったです。
私もGPで泣ききったおかげで、本番ではむしろ楽しく
演奏させていただきました。神はその恵のゆえに、死者を安住の
地へと、きっと導いてくださるでしょう、というブストの祈りに
加わりたいと思いました。
まだまだ精進が足りないことも痛感しましたが、高校生の
すがすがしい合唱と、粟飯原先生の圧倒的なパワーに
心を動かされた一日でした。

日記 | comments(0) | trackbacks(0)