グリーンスリーブス
「やすらぎの歌」は、リュートの金子浩さんと4年前にリリースしたCDです。
遅ればせながら、これからこのブログで、収録した曲に対する思いを少しずつ
書いてみようと思います。
1曲目はグリーンスリーブス。
英語の正確な発音に近づけようとすると「グリーンスリーブズ」と、
最後に濁点がつきます。
しかし、ひろく一般に流布しているのは「ス」なので、解説の那須さんにも
相談に加わっていただき、結局「ス」と表記することにしました。
グリーンスリーブス、つまり緑の袖。
緑の袖のドレスをいつも着ていた「あの女性」にふられてしまった男の人が、
「あんなことも、こんなこともしてあげたのに、僕をふるなんて。
彼女こそがすべてだったのに」
という内容です。
言ってしまえば、他愛もない失恋の歌です。(^^;)
それがちょっとダンサブルな、魅力的なメロディーにのると、
こんなすてきな歌になるんですね。
シェイクスピアの劇中でも「流行歌」として使われたそうですし、
クリスマス・キャロルとしての替え歌にもなっています。
ヒットソングだったのですね。
冒頭のメロディは:
レファーソーラーシラー
となっていて、この シ の音にフラットがつくのか、つかないのか
という質問をよく受けます。
出版されている楽譜も、ついていたりついていなかったり、いろいろです。
私もいろんな先生に聞いてみました。
音楽学、リコーダー、ソルミゼーション、音楽史・・・ それぞれの方が
こちらが正しいのだろう、とそれぞれの見解を教えてくださいましたが、
最後にみなさん「でも、どっちでもいいんですよ」とおっしゃいます。笑
私も、どっちでもいいのだろう、と思います。
フラットをつけるとちょっと内向的で、はずすと前向きな感じ・・・
と思う私の感覚は、現代人のものでしょうか。
この歌が流行り始めたころの人々は、フラットのついたメロディを
どう感じたのでしょう。
CDではフラットをつけたバージョンで収録しましたが、
演奏会ではそれに限りません。
フラットをはずすバージョンにしたり、1,2番はフラットをつけて
3番だけはずしてみたり。笑
金子さんは、私のそういう即興的なところは慣れっこで、もはや
なにがあっても驚きませんので、本番の気分で歌っちゃいます。
今度ライブを聞いてくださる機会がありましたら、ぜひチェックして
楽しんでくださいね!
この記事に対するコメント
東大には合唱団がたくさんあるのですね〜。そのうちの1つのOBがたくさんいる合唱団で、私もボイトレをしているんですよ。そこにも部員減少の波は押し寄せております・・・ ムジカサクラにも、部員が増えますように!!!
「やすらぎの歌」収録曲の解説、いいですね。
各曲ともとても興味があるのですが、先日のコンサートの名倉さんの解説も書き取れませんでした。また、ネットでもほとんど出てきませんので、毎回、楽しみにしています。
また、和光大学など、多くのご指導もされているご様子、出来るだけ、顔を出させて頂きます。
東京大学に「ムジカサクラ」という、アカペラで主に中世ルネッサンス時代の作品を歌う合唱団があります。
部員減少で困っています。東京大学以外の部員も広く募集しています。詳細は私のブログの記事「東大新歓合唱祭」参照下さい。お心あたりがあれば、皆さんに知らせて頂けると有難いです。